コラムcolumn
2020年11月30日(月)
シナリオ制作、どれぐらいの時間がかかる?
まず、シナリオ制作にはいくつかの段階があります。
1:打ち合わせ
2:資料の読み込み
3:設定・プロットの作成
4:シナリオの執筆
5:修正対応
ざっくり分けて、こんなところでしょうか。
1の打ち合わせは、最初に行うクライアントさんとのものです。
ここで内容やボリューム、全体のスケジュール、予算感などを確定させます。
(事前に秘密保持契約を結んでおくのが一般的です)
2の資料読み込みは、既に作成されている資料、また原作がある場合は、
その読み込みに必要な時間となります。
1クール(13話)のアニメぐらいであれば1~2日で見終わりますが、
100話を超えるような長編や、ゲームでもシリーズがたくさん
出ているものなどもありますので、タイトル毎にまちまちになってきます。
お見積もりの際には、こちらにかかる時間も加味させて頂くことになります。
3の設定・プロットの作成は2を元に、案件毎に設定を起こす、
またプロットを作成する作業になってきます。
これも全体のボリュームによりますが、おおよそ2週間~1ヶ月ほどの
お時間を頂くことが多くなります。
そして4の実際のシナリオ執筆になるわけですが、いわゆるアドベンチャー
ゲーム形式ですと、ひとりのライターが一日に書ける量は10000字≒20kb程度が
ひとつの目安となります。
もちろん、20000字≒50kb以上書けるような人もいますので、
あくまで平均のイメージです。
(余談ですが、過去の瞬間最大風速で話をしてくるライターさんは
危険です……! 歳を取るほどそのスピードは持続しません!)
ただ、きちんと納品出来る量として考えると、修正対応や他の案件などの
兼ね合いも考え、上記の半分――5000字≒10kb程度で考えておくのが無難ですね。
そのため、弊社ではひとりあたりの1ヶ月の執筆量として10万文字≒約200kbを
目安としています。内作だけではなく、外注のライターさんにお願いする場合も
同様です。
つまり一般的なコンシューマータイトルなどで100万字≒2Mbのボリュームが必要な場合、
ひとりで書いたら10ヶ月。
2ヶ月で終わらせようとすると5人のライターが必要な計算になります
(ジャンルによってもまた変わって来ますが)。
なお、ライターを分けた場合には全体の統合と監修にまた1ヶ月程度必要なため、
もう少しかかるのですが……おおよそのイメージとしてはご理解頂けるのではないでしょうか。
■参考 2メガバイトの場合のスケジュール
打ち合わせ・資料確認1ヶ月+執筆2ヶ月(200kb×5人)+監修1ヶ月+修正=5ヶ月前後
(実際にはマージンを見て6ヶ月程度になることが多いと思われます)
ちなみに200kbというと、一般的な文庫本一冊分ぐらいの分量になります。
それを書き続けている世のなかのシナリオライターさんたちは、
やっぱりおかしいすごいですね……。
日暮茶坊